朝の通勤時間帯や金曜日の深夜の繁華街などには、タクシーがつかまらないという状況になります。つまり、それだけお客がたくさんいるのです。基本的に自分の車から一番近くで手を上げている人を乗せることになるのですが、どうせなら「おいしい客」を乗せたいものです。
タクシーで言うおいしい客とは、ずばりロングの客のことです。つまり料金の高くなりそうなお客です。危険な客、乗せたくない客とは、マナーの悪い客、ゲロを吐く客、深夜の短距離の客などです。それらは実際に乗車させてみなければわかりませんが、見分けるコツというものはあります。全てに当てはまる法則ではありませんが、かなり当たっていますので参考にしてみてください。もし、あまり乗せたくない客がいたらどうするか。私の場合は、前もって車線変更をして追い越し車線に入ります。あまりわざとらしくやると、乗車拒否と思われますので自然にやってください。

 

◆夜間のカップル

 

カップルの場合は、女性を自宅まで送ってから、自分の家に帰るといった事が結構あるためです。ごくたまに、逆方向であっても女性を送っていく場合があります。こういう場合はかなりおいしい思いをします。

 

◆接待の臭いのする客

 

料亭や高級レストランの前で、スーツを着たサラリーマンが何か立っているケースです。この場合は、ほぼ間違いなく自宅まで送ることになります。ですから自宅がよほど近くない限り、ロングの可能性が高いです。

 

◆大きな鞄を持っている客

 

この場合もロングの可能性が多いです。行き先としては羽田や東京駅といったところです。しかし、時には近くのホテルまでということもあります。

 

◆女性の三人組

 

このパターンは間違いなく短距離です。タクシードライバーの誰に聞いても同じ答えが返ってくるでしょう。特に昼間の場合は最悪です。ワンメーターの確率が90％以上です。

 

◆酔っ払いの客

 

酔っ払っているので、自宅までのロングの可能性が高いです。しかし、吐きそうな客は敬遠したほうがよいでしょう。車内で吐かれたらその日の営業はストップしてしまいます。以上のような特徴がありますが、最初はどんな事でも経験ですので、あまりそういった事は考えずに何事も経験だと割り切ってどんな客でも乗車させてみることも大事です。とにかく乗車の回数さえ上げればたとえ一回の金額が少なくても自然に売上はあがります。最初はこの本を参考にして目標をクリアして下さい。この本を読んでその通りにすれば楽にクリアするはずです。

都内には、ホテルや病院がたくさんあります。ある程度有名なホテルには、24時間切れ目なしに数台から十数台のタクシーが付け待ちしています。こうしたホテルや病院の増改築時には通常時と比べて、タクシーの流れがかなり良くなります。なぜなら、増改築工事のため、タクシー乗場が変更になるからです。

 

タクシー乗場が変更になると、それまでのお客の流れが変わります。このため、それまで毎日のように付け待ちをしていたタクシーが他の場所に流れていきます。不思議な現象ですが、これは事実です。このため、新人にもチャンスが巡ってくるのです。

 

また増改築時には、タクシー乗場が分かりにくい場所に仮設置される場合が多いので、乗場で付け待つよりも、入り口付近を空車で流してみるのも良い方法です。何度もやると、付け待ちタクシーに睨まれますが、近くを通った際に、入り口の場所をチェックするような感じで流しているとタイミングよくお客が手を上げたりします。ホテルや病院には、時間によってお客の流れが全然違います。以下に時間ごとの特徴を書きます。

 

 

◆ホテル

 

早朝〜午前中：チェックアウト客が中心です。最寄りの駅までが多いですが、たまにロングがでます。チェックアウト時間の1時間前から流れが格段によくなります。午後：ホテル内でのイベント客がターゲットです。その日に何のイベントも開催されていない場合は、いつまで待ってもお客はいませんよ。夕方〜夜：ホテルの宿泊客が飲み街に行く場合やホテルのレストランのお客が帰る際によくタクシーを利用します。

 

 

◆病院

 

基本的に診療時間の1時間後から、診療時間の終了時までが、お客をGETできる時間帯です。上級者向けのテクニックとして、夜勤明けの当直医を狙う方法や救急指定病院で診療時間外に付け待つ方法もありますが、当たり外れが大きいです。ロングが出る可能性もありますが、何時間待つか分かりません。
【引用】【出典】タクシー業務研究会

 

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